投資リターンの確率と値動き幅を把握して投資先が妥当か検討しましょう

投資の基礎

こんにちは。今回は、「投資リターンの確率と値動き幅を把握して投資先が妥当か検討しましょう」ということでお話していきます。

”投資”、”確率”と聞くと、「なんだか難しそう」とおもう人もいるかと思いますが、数式を使わずに簡単な例を用いながら説明していきたいと思います。

投資リターンの確率と値動き幅を理解することは、投資をするのに妥当かどうかを判断する重要な材料になります。ぜひ、これを機に勉強してみましょう。

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投資リターンは正規分布であると仮定

いきなり聞きなれない言葉が出てきたかもしれませんが、一つずつ説明していきますね。

まず投資リターンについてですが、これは「利回り」ともいわれる言葉でパーセンテージ(%)の単位で表されることが多いです。
例えば、100万円投資してリターンが105万円であった場合、資産が105%になったため「利回り5%」であったといいます。
また、利回りについては1年間で資産が増えた割合(年率)に換算して表すことが多いです。

続いて、正規分布についてです。これについては、少し難しいので絵で覚えてもらえればと思いますが、一応言葉でも説明します。
分布とは、データの散らばりのことを言い、正規分布とは平均値にデータが集中しているような分布のことを言います。

以下のような頂点を境に左右対称になっている山のような分布が正規分布です。

自然界で起こるあらゆる現象や人間の性質などをこの分布で近似できることがよく知られているので、自然科学・統計学では非常に重要な分布です。

実は、投資のリターンもこの正規分布であると仮定することができるのです。

すなわち、ある投資先の平均利回りが5%だとすると上の図の山の頂点が5%で最も確率が高くなり、そこから高くなるまたは低くなるほど確率は低くなります。
感覚的には、100人が平均利回り5%の投資商品に投資すると、80人くらいが利回り4~6%で運用でき、マイナスになってしまう人や10%以上の利回りで運用できる人は数人しかいないような感じです。
直感的にも納得できると思います。

投資リターンの分散

次に、分散について説明します。

分散とは、データの散らばり具合を表す数値です。
分散が大きいデータの分布は山が低くすそが長い形になり、逆に分散が小さいデータの分布は山が高く尖った形になります。

また、分散値のルート(√)をとったものを標準偏差といいます。
統計学において標準偏差はしばしばギリシア文字のσ(シグマ)を用いて表されるため、投資やトレードにおいては、そのままσを用いて「平均から+1σ離れる」などどいう使い方をします。

正規分布においては、±1σにデータが収まる確率は約68%です
さらに、±2σにデータが収まる確率は約95%になり、±3σにデータが収まる確率は約99.7%になりるということが知られています。

上の図においては、平均が0、標準偏差が1なので、σは1.0であり縦線で囲まれた範囲にデータが収まる確率は約68%であるといえます。

投資商品の平均リターンとリスクの幅である標準偏差の値が分かれば、値動きの範囲がどのくらいで、その確率はどのくらいなのかを把握することができます。

実際に計算してみる

ここまで概念的な話をしてきましたが、実際に投資をする前に標準偏差を知って値動き幅を知りたいと思ったらどうするのか、ということが気になると思います。
実際に、特定の投資先のリターンの年率平均のデータから、予想される値動き幅(リスク)を推定してみましょう。

わたしのインデックスでは、投資初心者向けの情報や投資信託に関する情報を幅広く収集することができます。
こちらのサイトを使って日本株式の値動き幅を計算してみます。
過去20年の平均年率リターンは1.6%でリスク(標準偏差)は17.3%です。(2020年1月24日時点)
したがって、日本株式の平均年率リターンが正規分布にしたがうと仮定すると、-15.7%から18.9%の値動き幅であると簡単に計算できます。
日本株式に投資した場合、約68%の確率でこの範囲に収まると計算できます。(意外と値動きが大きいですね。)

是非、投資する際は値動きの幅(リスク)をあらかじめ把握して、よく検討しましょう。くれぐれも投資は自己責任で。

以上です。