会社員が投資をする必要性

投資の基礎

皆さんは”投資”についてどんな考えをもっていますか?
「投資は怖い」とか「投資は損する!」とか「お金持ちのすることでしょう?庶民には関係ないこと」など思っている人が多いのではないでしょうか?

結論からいうと、会社員も投資をするべきだと考えます。

「投資は怖い」、「投資は損する」というのは半分正解です。どんな投資手法も損をするリスクはありますし、やり方を間違えれば人生が狂ってしまうほどの失敗をすることもあります。

しかし裏を返せば、リスクをとることを許容しつつ正しいやり方をとれば、長期的な視点で見たときに大きな資産を築くことができると思っています。

今回は、会社員が投資をすることの必要性についてお話していきます。

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日本人のお金に関するデータ

平均年収、平均貯蓄額、平均投資額、比率

はじめに、日本人の貯蓄事情について統計データから把握していきましょう。

厚生労働省の調査によると、日本における世帯年収の平均値は545.4万円、中央値427.0万円、 平均世帯年収以下の割合は61.5%です。(参考:https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa16/dl/03.pdf)

中央値という言葉に聞きなれない方もいるかと思いますが、世帯年収の中央値とは年収値を高い順に並べたときに丁度真ん中にくる数値のことです。

平均値は世帯年収値すべての値を足し合わせて、データ数で割った値なので極端に高い数値や極端に低い数値があると、平均値はそれらに強く影響を受けます。

中央値のほうが感覚的に ”真ん中の値” により近いと思います。

一方、貯蓄に関するデータはどうでしょうか?

カードローン情報メディア「ワイズローン」 が実施したアンケート調査によると、調査対象者の貯金額の平均値は317万円で、中央値は100万円です。
こちらのほうが、平均値と中央値で乖離があるようにみえますかね?

その理由は、1,000万円以上貯金している一部の世帯が平均値を大きく釣り上げているためです。
分布的には、貯蓄額5万円以下が12.4%、貯蓄額100万円以下が53.7%となっています。

貯蓄額の平均値は317万円となっていますが、実際には半数以上の人が100万円以下の貯蓄額です。少し安心した人もいるのではないでしょうか?(笑)

続いて、投資経験に関する統計データを見ていきましょう。

日本証券業協会が2018年に行った「証券投資に関する全国調査」によると、金融商品保有率は「預貯金」92.8%、ついで「株式」12.6%、「投資信託」9.2%です。

90%以上の人が金融資産として預貯金をしているのに対し、株式や投資信託で金融資産を保有している人の割合は10%程度です。実に90%以上の人がリスクをとった資産運用はしていないということになります。

投資をしなくても豊かな暮らしができるのか?

これまでの統計データを見ると、国民のおよそ半数以上が貯金100万円以下だし、預貯金以外の投資をしている人は10%程度だし、やっぱり投資なんかしなくても生きていけるんじゃないの?と思った方も多いと思います。

その意見はもちろん正しいです。現に会社員ないし自営業で稼いだお金だけで家族を養って生活している人はたくさんいるからです。

しかし、豊かな生活を送る、ということとなると話は別です。稼いだお金だけで豊かな生活を送りたいと思ったら、稼ぐ力をかなり高めないといけません。

会社員が投資をするべき3つの理由

平均的な給料の会社員が投資をするべき理由は以下の3点です。

  • R > Gである
  • 収入が会社からもらう給料一本足でなくなる
  • みんなすでに投資をしている

以下でそれぞれを詳しく説明していきたいとおもいます。

R > Gである

一見すると何の式なのかさっぱりわかりませんよね。(笑)

これは、フランスの経済学者トマ・ピケティが『21世紀の資本』という著書の中で示した不等式です。
Rは資本収益率、Gは経済成長率を表します。

R(資本収益率)> G(経済成長率)とは、資本すなわち投資によって得られる収入の成長はは、経済成長すなわち労働によって得られる収入の成長よりも常に早いということです。
著者のピケティ氏は18世紀まで統計データを遡って調査した結果、R > Gの不等式を導き出しています。

この不等式を言い換えると、投資をする人としない人では築くことができる資産が大きく異なり、その経済格差は今後もますます大きくなるということです。

収入が給料一本足である

収入が給料一本足にであるということは、収入がなくなって生活が困窮してしまうリスクが高いと考えます。

会社員の給料は、その会社に入るかでほぼ決まってしまいますし、給料を上げてもらうのは簡単なことではないです。(明日から給料を2倍にしてくれ、なんていう無茶な交渉は不可能ですよね)

また、病気やケガで働けなくなってしまうリスク、会社から解雇されてしまうリスクもあります。
稼げなくなってしまった場合は、国から公的援助が受けられますが、それで十分とは言えません。

「働けなくなった時や収入がなくなった時の為に、民間保険に加入すればいいじゃないか」という意見もあるかと思います。
実際にそういったリスクをヘッジするために民間の保険に加入している人も多いと思います。
しかし、これは非常に資金効率が悪い方法です。(民間保険の必要性については別途説明予定)

まとめると、投資による収入は会社員の給与所得がなくなるリスクの効率的なヘッジ方法になると言えます。

みんなすでに投資をしている

「株も投資信託も暗号資産も、なにもやってない。現金しかもっていない」という人が多いかと思います。しかし、そういう人もすでに全員投資をしています。

その投資先は、”現金”です。
現金が投資である理由は、現金にはインフレリスクがあり、現金の価値は常に変動しているからです。
インフレとは、モノやサービスの価格(物価が上がる)ことです。

現金のインフレリスクについて、例を挙げて説明をします。

仮にインフレ率(物価の上昇率)が年率5%だとします。今年は100円でリンゴを購入できるのに、来年は105円をださないとリンゴを購入できません。
リンゴの価値は今年と来年で変わっていないとみると、去年持っていた現金の価値は相対的に今年になって5%下がっていると解釈できます。

資産の100%を現金で保有している人は、現金に全力集中投資をしているといっても過言ではありません。

ちなみに、我々が将来もらえる(とされている)国民年金もGPIFという機関が運用しています。

最後に

会社員も貯蓄だけでなく投資をしないと経済的自由を達成できません。
投資を行っている人との経済格差がどんどん広がっていってしまいます。

正しい知識をつけて適切な方法で投資を行えば、だれでも大きな資産を築くことができます。
投資は怖いものではありません。

投資はお金持ちがするものではありません。
むしろ、お金持ちではない会社員こそ投資をするべきです。

一緒に、正しい知識をつけてみんなで経済的自由を達成できるように頑張っていきましょう。

以上です。