こんにちは。今回は、「投資ってなに?投機との違いは?」ということで説明していきます。皆さんが何かにお金を出している行為は「投資」なのか「投機」なのかを理解できるように説明していきます。
正しい知識をつけて、適切な資産形成を行っていきましょう。
投資と投機
まず、この記事のタイトルに対する答えから先に述べます。
投資:資本・資産にお金を投じること
投機:機会にお金を投じること
株式投資を例に挙げて、もう少し詳しく説明していきます。 (株式投資については複数回に分けて後日説明予定)
資本・資産というのは何らかの形で付加価値を生み出すものです。
会社の株を購入し株主になり、しばらく保有し続けると会社から配当金という形で会社の活動で生じた利益の一部を分けてもらえます。
もし、配当金をもらった後に株が値上がりも値下がりもせずに売却できたとしたら、配当金で受け取ったお金がリターンになります。
これは、株という資産が配当金という付加価値を生み出したと言えます。
長期の株式投資は紛れもなく「投資」といえるでしょう。
一方、投機でお金を投じる機会というのは、それ単体では付加価値生みません。
同じ株式投資でも、ある日の朝購入した株をその日の夕方に売却するような行為はどうでしょうか。
購入時の株価が1000円で、売却時の株価が1100円だったら、確かに儲けがあります。
ただし、これは株自体が付加価値を生み出したのではなく、誰かが1000円で売っていたものを購入し、誰かが1100円で買い取ってくれただけです。
こういった株式の短期取引は「デイトレード」と呼ばれるものですが、これは投資ではなく「投機」であると言えます。
株価が上がるかもしれないという機会に投資しているにすぎません。
ゲーム理論の話
ゲーム理論の観点からも、その行為が投資であるのか投機であるのかを判別することができます。
ゲーム理論とは、意思決定などの問題を数学的モデルを用いて解析する学問です。
なんだか言葉は難しそうですが、実例を当てはめると簡単です。
モノの売買をゲームととらえることとします。モノを購入する人と売却する人の二人がゲームのプレイヤーで、モノのもともとの値段が1万円であるとします。
モノを購入する人が1000円値切って購入したき、購入する人は1000円の得をしていますが、モノを売却する人は得られる利益が1000円少ないので1000円損をしていると言えます。
このとき、両プレイヤーの損得の合計は(+1000円ー1000円=0円)となり、ゲームの前後で損得の総和はゼロです。このようなゲームをゼロサムゲームといいます。Win-Loseの関係です。
投機はゼロサムゲームであるといえます。
一方で、株式を長期保有し配当金を受け取る株式取引はどうでしょうか。
ゲームのプレイヤーは投資家と企業です。仮に株価が1000円の時に株式を購入し配当金として30円を受け取ることができ、かつ株価が1000円のときに売却できたとします。
このとき、会社は投資家から受けとった1000円でビジネスをして利益をあげることができます。利益の中から、投資家に配当金を分配します。
この一連の流れの中で、企業はビジネスで利益を上げることができ、投資家は企業から配当金を受け取ることができるので、ゲームの前後でプレイヤーの損得の合計はプラスになっています。
このようなゲームをプラスサムゲームといいます。プレイヤー同士がWin-Winの関係になっています。
投資はプラスサムゲームであるといえます。
出資すべきはどんなゲームか?
ここまで見ていただいた方は、著者の主張したいことを察したと思いますが、本当に「投資」によって資産を築きたいのであれば、プラスサムゲームにお金を投じるべきです。
利得を奪い合って周りを蹴落として自分だけ利益を得ようとするよりも、長期間かけてでもみんなで得をするほうがいいように思いませんか。
ゼロサムゲームによって短期間で利益を得ようとおもったら時には運も必要で、大きく儲けることもできるし大きい損失を被ることもあります。投機はギャンブルです。(パチンコなどのギャンブルは一日のうちに数万円儲けることができる一方、数万円の損失を被ることもありますよね。)
逆に言うと、長期間かけて行うプラスサムゲームでは投機のように大きく儲けることは難しいです。一年間かけて数%の儲けになることが一般的です。(投資でかつ大きく儲けることができると謳っているものは、投資詐欺の可能性が高いです。)
ただし「塵も積もれば山となる」ように、年間数%が複利で増えていくと数十年後には膨大な金額になります。
また、投機は短期間で利益を上げようとするものであるため、ハイリスクハイリターンであると言えます。リスクとリターンの考え方については以下の記事をご一読ください。
最後に、投資と投機についてまとめます。
- 特徴
資産・資本にお金を投じる
長期間
プラスサムゲーム
ローリスク・ロー(ミドル)リターン - 例
長期の株式取引、不動産取引など
- 特徴
機会にお金を投じる
短期間
ゼロサムゲーム
ハイリスク・ハイリターン - 例
株式トレード、仮想通貨取引など
自分の稼いだお金を投じる時には、投機なのか投資なのかをしっかり把握し、リスク管理を心掛けるようにしましょう。
以上です。